東北食べる通信2018年6月号【生大蒜】特集
みやむ〜のにんにく。 宮村祐貴
青森県田子町でにんにくをメインとして農家やってます。
高校卒業までは青森で育ち就職のタイミングで上京。 建設業や飲食店など様々な仕事を経験して 2014年に青森県田子町にUターン。
農家になるとは決めて帰ったものの、何をすればいいのかわからない。 トラクターの運転も畑の真ん中で YouTubeを見て学んだりする日々。 周りの農家や親戚に聞いて作業しても「これで合っているのか?」
その頃に偶然見つけた、ノート。 そこに書かれていたのは、日付、天気、作業内容、トラクターのギヤ数まで。 天国にいるじいちゃんが残してくれた作業日誌だった。
ノートの存在は母も知らなかったみたい。 偶然見つけたノートを手にして
「私が農家になる事をわかってたんだな」 と涙が止まらなかった。
その後は作業も慣れてきて上下ヤッケに身を包み、マスクをして農薬散布を散布しているある日。 頭痛がした。
「果たしてこれをにんにくにかけていいのだろうか?」
次の日から農薬の使用をやめ、翌年には化学肥料の使用もやめた。
無肥料無農薬栽培のスタート。
しかしそれは厳しかった。
肥料食いの作物として知られる【にんにく】 農薬だけならまだしも、化学肥料も動物性堆肥もやめたことで、にんにくはピンポン球よりも小さなものが多くなった。
農家になったことで、見える視点がガラリと変わり。 自然や身体、社会など今まで気にもしなかったことが目に入るようになり、日々食べる食。生活も変わり、ニキビやアトピーで悩んでいたが、気づいたらすっかり治っていた。
【食】それは【人】を【良】すると書く。
現代の食べ物はどうだろうか?
野菜では農薬や化学肥料を多く使用し。 その原材料を使い加工品。 一括表示には、聞き慣れない言葉が並ぶ。
私達、人は口から入るもので身体が作られ、そして、他の生命をいただき【生きている】
「いただきます」 「ごちそうさまでした」
今一度、考えてみたら、生きていること自体が奇跡なんだと気づいた。
何を食べなきゃ!という考えよりは、何を避けた方がいい。
批判からは何も生まれないと思ってます。 私は農薬、化学肥料も使用する畑もあります。
無肥料無農薬で栽培をしてきたからこそ、そのありがたみや凄さを実感しました。 現在使用している畑は、翌年の種用にんにくのみに使用してます。
これからの社会は、「正直に嘘のない」が大前提であり。 栽培方法で選ぶことも大事ですが、
【農家が何を思い、どう畑や自然と向き合っているのか】
が一番大事です。
私は 夢を語り夢を叶えられる世の中になるように。 地元の食文化を残し、食文化を守る事、作物を守る事で
耕作放棄地解消に繋がり、雇用にも繋がる。 孫の世代までも今ある田園風景を残していきたいんです。
にんにくの他には 南部小麦、大豆、お米、えごま、トマティーヨ、ハラペーニョなども無農薬無肥料栽培してます。
作物廃棄も無くすべく、市場などの規格を無くしました。 黒にんにくやドレッシングなどの加工品も手がけ、にんにくの廃棄はほぼゼロです。
私みたいな考えややり方で、農家として百姓として。 自由な発想や行動から、「かっこいいな」と農家になってみたいという方が出てきたら、最高に嬉しいです。
農家になったことで見える世界が変わった。
自然の偉大さを肌で感じ、人はなんてちっぽけなんだろ。
毎日ある不安など、山々を眺めて、風を頬で感じているだけで、「なんでこんなことで不安になってんだろ」 と気分が変わります。
今まで経験した、農家のスキルや、田舎暮らしのノウハウ、私の感じたことを生かし新たなジャンルを。
農家×〇〇
田舎暮らし×〇〇
毎週オンライン交流会やってます。
1人でも多くの方に、私のノウハウが役に立てばと強く思ってます。
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