こちらは2009年に亡くなった父の短歌を、私が編んだ遺歌集です。角川出版の『短歌』でご紹介をいただきました。
大正14年生まれだった私の父は、昭和20年1月に召集され、半年後に戦場で終戦を迎えた後、3年10ヶ月のあいだシベリアの捕虜収容所で過酷な強制労働の抑留生活を送り、日本に帰りました。85歳で亡くなった父の歌集を編纂しながら、幼い頃ただ恐ろしく厭わしかった父の唐突な感情の爆発のかげに、生前はほとんど口にしなかったこんな体験や想いがあったのだと思い、父に対する見方が変わりました。
身の回りの自然や何でもない日常の暮らしのいとおしさ、妻やこどもへの愛情、老い、消えない戦争の記憶など、戦争を体験した世代の想いがつたわってくる珠玉の短歌たちです。お読みいただければ幸いです。
書籍本体 2,530円 送料 1冊につき 190円