自分の親が一方の親をののしる…それは性別に関係なく、子どもに深い衝撃を与え、人生に影響を与えます。被害者が一時的に避難する民間シェルターは資金不足の中運営されており、厳しい現実です。当事者の親子を支援するシェルターを私たちも応援したいと思います。
「DV被害者が緊急避難するシェルターへの寄付」
~DVの絵本「ぼくのいのち」出版を記念して、非暴力活動として民間シェルターのための寄付金集め~

こんにちは、安藤由紀です。 令和3年の1月、復刊ドットコムより「ぼくのいのち」という絵本を出版することを記念して、民間シェルター応援のクラウドファンディングを企画しました。この企画には生きがいカフェの鳥成さんはじめ、有志メンバーが協賛として携わっています。
DVは、女性問題でしょうか?いいえ。DVは男性問題でもあります。ふるった側に責任が集中しがちですが、「強いのが男」そんな枠組みで育たざるを得なかった人はたくさんいます。支配力で人間関係を作ることしか知らなかった……問題はそこにあります。私たちには、行動として出すか出さないかの差だけで暴力性はじゅうぶん潜んでいます。DVはみんなの問題です。
コロナ禍の2020年、政府と自治体で運営する全国のDV相談の件数は、5-6月は去年の1.6倍(1万7500件)、7-8月は1.4倍(1万6000件)30~40代に一つの山があり、60~70代にも山があります。日本に特有の「内輪のもめ事は恥」とする文化のために、スルーされる傾向にありますが、社会全体の課題が凝縮された結果が配偶者暴力なのです。
私は東京都の児童相談所に勤務して、東京ウィメンズプラザの配偶者暴力相談に転職。そこで日々聞いた暴力の惨状は、「人間がこんなことをして許されるのか…」と憤るために胸があつくなりました。配偶者間暴力は別室にいても子どもには空気が伝わります。
髪の毛をわしづかみにしてリビングを引っ張りまわす。
部屋の隅で、子どもが硬直しながら泣いている。
ふだんから配偶者が外に出ないように、顔をなぐる。
言葉のモラハラも、くりかえされることで相手の尊厳を奪いつづけています。

「不安・恐怖・痛み」などの情動は私たちの脳にプログラミングされていますが、理性や認知による判断よりも早くキャッチされ、流れる汗を止められないように、暴力への「不安・恐怖・痛み」も自分では止められません。
子どものころから虐待された子どもへの影響は、治療しない限り一生をつうじて影響をうけ、疲れきった親は貧困の連鎖をくり返し、経済的に恵まれても精神的に病んでしまうことも。
逃げようと決心しても、手元には数百円しか残っていない…珍しくありません。民間シェルターでは、このような被害を受けた人を受け入れるために、常に人件費と当事者の生活費の捻出に苦労しており、資金不足から閉めてしまうこともあります。
一時保護の過半数が、子ども連れです。
https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/danjo/dv/files/0000000645/1soudankensuu.pdf

様々な形のドメスティック・バイオレンス(DV)
身体的暴力
・殴る、ける、髪を引っぱる、首を絞める、物を投げる、など
精神的暴力
・人としての尊厳や誇りを傷つける、長時間説教する、など
性的暴力
・性的行為の強要、避妊に協力しない、など
経済的暴力
・十分なお金を渡さない、収入を一切教えない、被害者の預貯金を取り上げる、など
寄付先の「全国女性シェルターネット」は、DVサポートシェルター等を運営する、民間支援団体の全国ネットワーク組織です。1998年に設立され、2005年に法人格を取得しました。現在、加盟64団体が国内外のネットワークをつないでいます。

子どもは親を悪く言われたくないので、自分が殴られてもきょうだいが投げ飛ばされても、親に忠実です。
昨日は顔面を殴られた、今日はもっとひどい暴力が待っているかもしれない、でも、被害者はとっさに逃げる決断ができません。経済的な理由から、子どもの環境を守りたいから、さまざまな理由で身動きできない。さらに父子家庭のシェルターは皆無です。
シェルターでは、相談員が新しい生活を話し合い、病院や裁判所に同行して支援します。それは身も心も落ち着いて過ごせる貴重な時間…もし社会がもっと弱者の存在に耳を傾けていたら…逃げる場所が確保され、どこまでも恐怖におののく毎日と決別することもできる…。
ある日「子ども用にDVを説明する本がないよね」と聞こえてきました。復刊ドットコムから令和3年1月に出版の運びになった、「ぼくのいのち」は、子どもの回復のために3年半をかけて作った絵本です。
Wイベントとして皆さんの寄付金はシェルター存続のために、全国シェルターネットに寄付いたします。
つらい状況を経験した人は、人の痛みに敏感に反応します。自分が到達した地点をふりかえれば、まだ白紙の地図しか持っていない、若くて傷ついている人の存在にも気づけます。傷ついた人の起伏の多い地図は、山あり谷あり沼あり崖あり、けれど、そこには実をむすんだ花もたくさん咲いているはず。「犠牲者」から「回復者」へ、その道のりを加速するためにこのファンドを思いつきました。
子どもの未来が拓けるように、繰り返される暴力に終止符を打つために、あなたのお力を借りたいのです。どうぞよろしくお願い致します。

【ぼくのいのち AMAZONで予約受付中・クリックすると場面に飛びます】
一人でも多くの当事者がシェルターを利用できるように...
そんな願いを込めて、プロジェクトを立ち上げました。

募集期間
令和1月1日(火)~ 3月31日(水)19:00
目標額に達さなかった場合
集まった金額で実行します。
(ペイパル手続等の経費を差し引いた金額を寄付いたします)
目標金額
500,000円
ゆうちょ振り込み:他銀行からお振込みの場合は
店名 〇一八
店番 018 記号10170
預金種目 普通預金
口座番号 69914561
ゆうちょからお振込みの場合は、口座番号のみ6991456となります。
※「いきがいカフェ」のメンバーの1時間のチャリティトークイベントを3月に行います。
※ 絵本「ぼくのいのち」を、抽選で5名の方にプレゼントいたします。
出席者:鳥成優一郎、安藤由紀、藪並郁子、鈴木優子、川口史歩、藪木れいこ、中川貴子、大外河玲奈、白井由香、野中ソーマ由美、岡本玲子、永井順子、菊田アキ、北田敬、他
寄付金の使い道
全国女性シェルターネットへ「民間シェルター」存続への寄付