社会の中で環境や構造に押しつぶされそうになってもなお、生き延びてきたいのちが沢山あること、そしてそのもがきや苦しみの中で頑張っている人が沢山いること、そして今、日本の周りを見渡すとアディクションやアレルギー反応、体や心の反応として、敷かれた環境に順応できず「No~!」という声が溢れていること。
なぜ同じ遺伝子を持っていても、ある人はガンを発症し、ある人は発症しないのでしょうか。ある人は自己免疫疾患になり、別の人は元気に過ごしているのでしょうか。
その答えは、精神・神経・免疫・内分泌学という学問にあると、博士は考えます。大人になってから発症するどんな難病も、ウイルスや遺伝子だけでは発症せず、抑圧された感情による免疫の抑制などが関係しているいう学問です。(p9)
難病を抱える人たちの多くは、子どものころ、親や周りの顔色を見て育ちました。満たされない気持ちを抱きながらも、必死に強くあろうと生きてきた人たちだといいます。何に対してもノーと言わず頑張ってきた人たちです。
しかし口でノーと言えないなら、いつか身体がノーという。それがこの本の趣旨です。
この本の言わんとすることは、言葉遣いは違うとはいえ、愛着障害 子ども時代を引きずる人々と似通っています。
どちらも、ジョン・ボウルビーの愛着についての記述を含んでいます。子どものころの自分ではどうしようもなかったできごとが、その後の人生を左右するのです。(p252)
「このままでいいのだろうか。」
「何ができるだろう。」
「どこで、わたしが生かされるのだろう。」
人間が人間であるために体や心のバランスが崩れてしまうことが沢山起きている。
その 自分の中になんとなく感じる違和感や抵抗に気がついて 自分を大事にして欲しい。
自分の感覚を麻痺させ 無自覚。無感覚になり、ただ無意識に生きる。
そうしてまでも「生きる」選択をして生き延びてきたいのちがそこにある。
その美しさを 醜いと言わないで欲しい。
その美しさを いのちある限り生かしたい。
世代を引き継ぐ「負の連鎖」「虐待」「暴力」「言葉」「駆け引き」など、
破滅する前に、連鎖を止める。自分が自分自身で立てているだろうか。
コミュニケーションの仕方を知ること。
今までの常識が常識ではないことに気がつくこと。
「苦しみ」や「恥」や「軽蔑」は どのように社会システムと関係しているのだろうか。